S2DHについて
S2DHとは
更新日:2018年02月20日

S2DH(Social Smart Dental Hospital)は、大阪大学歯学部附属病院、大阪大学サイバーメディアセンター、NECシステムプラットフォーム研究所の三者が中心となって2018年3月9日にスタートした産学連携プロジェクトです。

 

あらゆるものがネットワークによって繋がるスマートシティーやソサイエティにおいて、歯学部附属病院は数少ない口腔専門病院として、持てるだけの知識と技術を情報化します。システムプラットフォーム研究所は、スマートシティやソサイエティと医療情報を安全安心に繋ぎます。サイバーメディアセンターは、集中する膨大なデータを超高速なスーパーコンピューターを駆使して処理し、医療関係者と共に新たな知識と技術を創発させます。それによって得られた果実は、今後世界中で増える高齢者の救いとなり、途上国においても得難いものとなると願っています。S2DHが目指すもの、それは個人個人が医療を身近に感じることができ、自分にとって納得できるサービスを受けるために、自身も情報を発信し、お互いの情報で自分の健康を守る、そういった社会です。

組織
更新日:2018年02月20日

準備中

会場アクセス
更新日:2018年01月22日

銀杏会館外観

 

会場アクセス地図

 

□ 会場 / 大阪大学 銀杏会館
□ 住所 / 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2
・阪急バス/近鉄バス 阪大本部前バス停から徒歩約8分
・大阪モノレール 阪大病院前駅から徒歩約15分

参加登録
更新日:2018年01月22日

※事前参加登録は締め切りました。
多くの方に申し込みをいただきありがとうございました。
当日参加も受け付けますので、シンポジウム当日に受付にて申し込みをしてください。

 

開催概要
更新日:2018年01月22日

ソーシャル・スマートデンタルホスピタル キックオフシンポジウム
-均衡する医療情報の保護とAIによる利活用-

 

シンポジウムちらし

 

 

情報科学技術の革新によってスマートシティー等、今社会はより効率的に、且つ、より多様につながるように進化しています。このような時代に、大阪大学歯学部附属病院は社会とどのように協奏し新しい歯科医療のあり方を提示できるかを考えました。協奏する歯科医療と社会の眼前には、安全・安心に護るべき医療情報があり、同時にAI等の進化によりその利用価値は益々高まっている現状があります。この均衡する重要課題について各界の第一人者にご登壇いただき、超スマート社会における新しい姿の歯学部附属病院、即ち「ソーシャル・スマートデンタルホスピタル」のあり方について議論していただきます。

 

□ 日時 / 平成30年3月9日(金)13:00~18:00 ※参加費無料
[17:00~18:00 情報交換会(参加費1,000円)]
□ 会場 / 大阪大学 銀杏会館
・阪急バス/近鉄バス 阪大本部前バス停から徒歩約8分
・大阪モノレール 阪大病院前駅から徒歩約15分

プログラム
更新日:2018年01月22日

□ 日時:2018年3月9日(金)13:00〜18:00(開場12:15)
□ 会場:大阪大学 銀杏会館3階 (阪急電鉄・三和銀行ホール)

 

 

プログラム

基調講演 「データを活用したAIによる社会貢献とプライバシ秘匿の両立を目指して」
中村祐一(NECシステムプラットフォーム研究所 所長)

 

招待講演「電子カルテを基盤とする多施設の臨床データの収集
-追い風(ビッグデータ・AI)と向かい風(改正個人情報保護)の吹く中で-」

松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科 教授)

 

参加費:無料(情報交換会参加費:1,000円)
主催:大阪大学 歯学部附属病院
共催:大阪大学 サイバーメディアセンター
協賛:日本電気株式会社
協力:大阪大学21世紀懐徳堂
参加登録:当サイトの参加登録ページよりご登録下さい。
問合わせ先:大阪大学歯学部附属病院医療情報室
TEL: 06-6879-2427

 

 

プログラム詳細

司会:林 美加子(大阪大学歯学部附属病院 副病院長)

 

13:00~13:03
オープニング
13:03-13:10
開会の辞
村上伸也(大阪大学歯学部附属病院 病院長)
13:10-13:17
挨拶
西尾章治郎(大阪大学 総長)
13:17-13:24
挨拶
江村克己(日本電気株式会社 取締役 執行役員常務 兼 CTO)
PART 1 情報科学技術の進化と医療情報の最先端
13:25-13:55
基調講演「データを活用したAIによる社会貢献とプライバシ秘匿の両立を目指して」
中村祐一
13:55-14:25
招待講演「電子カルテを基盤とする多施設の臨床データの収集
-追い風(ビッグデータ・AI)と向かい風(改正個人情報保護)の吹く中で-」
松村泰志
14:25-14:40
休憩
PART 2 歯科口腔領域での情報科学技術
兼:サイバーメディアセンター・ワークショップ
<社会に貢献する高性能計算機システム>
14:40-14:55
「矯正歯科治療における機械学習と臨床への応用」
山城 隆(大阪大学大学院歯学研究科 教授)
14:55-15:10
「S2DH(ソーシャル・スマートデンタルホスピタル)を支える高性能データ分析基盤」
伊達 進(大阪大学サイバーメディアセンター 准教授)
15:10-15:25
「人工知能を用いた、口内炎と口腔がんの鑑別診断システムの開発」
平岡慎一郎(大阪大学大学院歯学研究科 助教)
15:25-15:40
「データ同化技術を用いた歯の喪失シミュレーション 」
野崎一徳(大阪大学歯学部附属病院 助教)
15:40-15:55
休憩
PART 3 パネルディスカッション:
医療情報の機密保護の必要性とAIを介した有効活用の重要性
15:55-16:55
司会:
・林 美加子
・下條真司(大阪大学サイバーメディアセンター センター長)
パネリスト:
・松村泰志
・黒田佑輝(大江橋法律事務所 弁護士)
・中村祐一
・岡村利彦(NECセキュリティ研究所 主任研究員)
・玉川裕夫(大阪大学歯学部附属病院 准教授)
クロージング
16:55-17:00
閉会の辞
吉川秀樹(大阪大学 理事・副学長)
17:00-18:00
情報交換会(ドリンク付き)「挨拶・乾杯」
抄録
更新日:2018年01月22日

データを活用したAIによる社会貢献とプライバシ秘匿の両立を目指して

NECシステムプラットフォーム研究所 所長 中村祐一

 

AI(人工知能技術)を使った様々な社会貢献が実現されつつある。これらAIの実現には学習のためのデータが不可欠であり、膨大な量のデータを集めて学習することによりAIはより賢くなる。しかし、これらのデータには個人のプライバシに深く関わる情報が含まれる場合があり、特に、医歯学部で使われる診療データに関しては高い秘匿性が要求される。
一方で、AIの適用には極めて高い計算機パワーが必要である。特に膨大な量のデータを使った学習においては、通常の計算機では処理が長時間化し実用時間でのAIの適用が困難になる。その結果、病院外部にある高性能コンピュータ(HPC)処理の必要性が生じるが、同時に病院外部のHPCへのデータ転送における漏えいの可能性の排除が不可欠である。本講演では、AIを効率よく計算処理するHPCの必要性について解説し、さらに機微なデータをHPCでセキュアに処理するため最新技術、及び、これらの技術を使った大阪大学歯学部附属病院、サイバーメディアセンターとNECの三者の連携について紹介する。

 

 

電子カルテを基盤とする多施設の臨床データの収集
-追い風(ビッグデータ・AI)と向かい風(改正個人情報保護)の吹く中で-

大阪大学大学院医学系研究科 教授 松村泰志

 

各医療施設で診療データが電子化して保存されるようになり、これらのデータを集積して解析ができると、ビッグデータによる臨床研究ができると期待される。しかし、診療録は多くの記録が自由記載であり、重要事項が記載されていないことすらある。検査データ等の構造化データも標準化はされていない。この様なデータを集めても意味のある解析は難しい。診療データは改正個人情報保護法により要配慮情報になったため、同意を得ずに集積が難しくなった。我々は、電子カルテのテンプレート機能を利用し、同意を得た上で、前向きに多施設で臨床データを集める仕組みを開発し、現在大阪地区の15の病院の電子カルテに組み入れ、実証を進めようとしている。また、レセプトデータを利用して投薬情報等から個々の疾患の患者数をカウントするシステムを開発し病院に導入しようとしている。データの構造化・標準化と個人情報保護法の関わりを含め、これらのプロジェクトを紹介したい。

 

 

矯正歯科治療における機械学習と臨床への応用

大阪大学大学院歯学研究科 教授 山城 隆

 

近年、人工知能(AI)の技術研究開発が進み、医療分野においても過去のデータベースから様々な推論が可能となりつつある。矯正歯科は特に、客観的データを多く扱う医療分野であり、我々の研究チームはAIを用いた様々な自動診断システムの開発を行ってきた。
そこで今回、X線規格写真、顔・口腔内写真、三次元模型の自動認識に加え、三次元顔形態の治療後のシミュレーションに関する研究を紹介し、今後の矯正歯科治療分野でのAI活用の展望を検討したい。

 

 

S2DH(ソーシャル・スマートデンタルホスピタル)を支える
高性能データ分析基盤

大阪大学サイバーメディアセンター 准教授 伊達 進

 

本講演では、大阪大学サイバーメディアセンターに2017年12月に導入された新スーパーコンピュータOCTOPUSを概説・紹介するとともに、大阪大学歯学部附属病院のS2DH構想を支える高性能データ分析基盤にむけた取り組み状況を報告する。

 

 

人工知能を用いた、口内炎と口腔がんの鑑別診断システムの開発

大阪大学大学院歯学研究科 助教 平岡慎一郎

 

口内炎は、栄養不良、疲労等様々な誘因で発症し、疾患としてポピュラーなものである。そのため発症したとしても「そのうち治るだろう」と医療機関に受診することは少ない。一方、口腔がんにおいても、初期には「口内炎とよく似た病態」を呈することが多く、受診が遅れるがために、発見時にはすでに進行し根治困難となっていることも多い。現在我々は早期発見を目指した「人工知能を用いた、口内炎と口腔がんの鑑別診断システムの開発」に着手しており、その概要を述べさせて頂く。

 

 

データ同化技術を用いた歯の喪失シミュレーション

大阪大学歯学部附属病院 助教 野崎一徳

 

咀嚼機能を維持するために歯の喪失を防ぐことが最も重要である。歯の欠損や隣接歯との接触面の有無を咬合支持域の観点から評価し、実際の観測データを用いて年齢による歯の欠損パターンの違いを確率的に推定する方法を開発した。このシミュレータでは、欠損歯部を含む歯列データから、セル・オートマトンに与えたルールにおける重みを学習し、その結果、次の欠損歯となる部位を推定することで、欠損順序の再現を実現した。

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