病院長挨拶
2018年3月9日より、大阪大学歯学部附属病院はサイバー空間への病院構築を開始しました。
この取り組みは、AIやスマートシティ、メタバースといった新たな概念が台頭する中で進められています。
この6年間で口腔保健は大きく改善され、処置中心から予防中心の医療へと移行が進んでいます。
予防・予測、個別化医療は、社会が本院に期待する重要な課題です。
背景には、吹田市で30年にわたる「吹田市皆歯科健診事業」があります。
この取り組みは国民皆歯科健診事業へ発展し、地域と国家レベルで口腔医療の進化を支えています。
また、学校歯科健診等では口腔内カメラやスキャナといったデジタル技術の活用が進んでいます。
さらに、口腔診査情報審査標準コードが医療情報の流通を支え、国際的にはDental Data Exchangeの動きが活発化しています。
現在では、医療情報の適切な保護と活用を両立させるため、
データ収集方法やデータ構造の整備、分散保存、さらに蓄積されたデータのオープン化技術が重要視されています。これらの技術の進展が、偏りのない公平なAI開発を可能にする鍵となっています。
今回開催する「第8回ソーシャル・スマートデンタルホスピタル シンポジウム」は、構築に関わる皆様を対象に、
歯学部附属病院口腔医療情報部に事務局を設置し、歯学部附属病院とD3センターが企画・運営します。
ソーシャル・スマートデンタルホスピタル実現に向け、行政や企業の皆様のご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和6年11月21日
山城 隆
ソーシャル・スマートデンタルホスピタル 総責任者
大阪大学歯学部附属病院 病院長
大阪大学大学院歯学研究科 教授